★丸太が製品になるまで★
 
伐採
 樹木は秋の彼岸から春の彼岸の間に伐採するのが良いとされています。その中でも昔から『八せん』(カレンダーに記されている場合も)の期間も避けた方が良いとされています。福井のような雪国では、秋切が良いとされています。
 この時期は樹木の成長が緩やかになる頃で、樹皮近くの水分や糖などの栄養分が減少するため、虫害やカビによる被害が少なくなります。
 伐採後は一冬、山に寝かせます。寝かせ方は樹木の切り口を谷側に枝側を山側に倒しておきます。そうする事により、木の中の余分な水分や灰汁(アク)が枝の方に吸い上げられ、幹の部分にアクがなくなりやすくなります。
 一冬過ぎた次の年の夏ごろから丸太の山出しを行います。
製材工場内敷地内へ
 伐採され玉切り(一定の長さに切断すること)された丸太が製材工場敷地内に運び込まれ、製材の時期まで寝かせられます。
 ちなみに写真は樹種は一番手前小さい丸太から栗(クリノキ)・
米松・ピーラー(米松の目の細かいもの)です。
敷地内での灰汁(アク)出し
 敷地内の保管中でも灰汁(アク)出しをおこなっております。写真は皮をむいた栗(クリノキ)です。樹質柄アクが多い木です。
切り株側のコンクリートが少し茶色くなっているのは雨にさらされ、木の中からアクが染み出したものです。
製材する木の選定
 使用する材木の用途・大きさにより丸太を選定します。幹の太さ、長さ、傷、節などを目視し選定していきます。
 ただ弊社社長の頭の中には丸太を購入する時点である程度、使用目的などは決めているようです。
 写真の丸太は米松で元口(切り株側)の直径が1m20cmあります末口(頭側)でも95cmあります。
製材工場内へ
 製材する丸太を工場内へ移動し、丸太の表面や小口を検品します。付着している異物や木の様子・くせを目視します。
 写真は船床に使用する材料を取るための樫(カシノキ)です。樫は水に強く、水が付くと滑りが良いため良く使用されます。
丸太の皮むき
 製材する前に丸太の表面の皮を剥きます。
 木の皮は人の服と同じで、中を隠してしまうため、皮の中にある小石・針金や釘などを見落とす事になります。たまに猟銃の弾が出てくることがあります。異物が付いたまま製材しますと、製材機の鋸を傷める可能性があります。
 もっと重要な理由は、樹木には真直ぐ成長するのもあれば、ねじれながら成長するのもあり、また木肌には傷・節・割れなどがあり、その様な木自体のくせを見分けやすいからです。
 写真は杉丸太の皮を剥いている様子です。

 
丸太の木取り
 製材する前に丸太の木取りを行います。
 木取りとは材木を製材するにあたり、目的とする材料を最も歩留まりが良く採る為に、採材の位置や採断手順を決める事です。一種の型紙を起こすようなものです。
 写真は丸太の大割りをするときなどに木の樹芯を決めるために水糸を使っているところです。
(製材) 丸太の大割り 
 丸太を木取りしたように採るために帯鋸製材機を使い大割りしていきます。
 例えば4寸厚みの材を目的とした場合、最初に丸太の太さで採り易い位置で4寸厚みの太鼓落し(両側面皮付きの形)で大割りをします。
 写真右側より左側奥へ台車が動きます。
(製材) 挽き割り
 丸太を大割りした太鼓落し材などを正割りや平割りに製材していきます。
(製材) 板割り
 丸太を大割りした際、残る小割りした周辺材を使用できる用途に板割りしていく作業です。
 この作業は丸太一本からどれだけ利用できる材料を作れるかの大事な役目を持ちます。歩留まりの良し悪しがこれにより決定します。
 いくら大きい周辺材が残っていても樹種・傷などにより利用しない場合もあります。
自然乾燥
 製材した採材を乾燥します。
 人工乾燥は場合によっては木肌を傷め易いので、弊社では長い時間をかけ天日・影干しによる自然乾燥を基本としております。
 写真のように材料を立て掛けて風雨にさらし灰汁(アク)を抜きながら乾燥していきます。立てかける際は材の根元を天にかざし頭の方を地面の方にします。そうする事により材木が水分を下から吸わないようにするためです。
 写真は檜(ヒノキ)の赤身勝ち材で用途としては柱や土台に使用します。
不要周辺材はどうなる?
 製材し採材した後、製品とならない残った部分はどうなると思いますか?
 昔はあちこちの家庭で燃料として使われていましたが、今はほとんど使われず、キャンプ時期に取りに来られる方が来られるくらいでしょうか。
 それでは今はといいますとチップとなって紙の原料となっております。チップ業者の方が定期的に取りに来てくれます。
おが屑(木の粉)はどうなる?
 製材しますと、鋸の厚み分は切断のために粉となります。それがおが屑(おが粉・木の粉)と言われていますがそれはどうしていると思いますか?
 なんと鶏糞(ケイフン)肥料になります。養鶏場の鶏舎の床におが屑をひきつめ鶏さんの寝床になります。その上で鶏さんが糞尿をしおが屑と混ざり合いよく売られている鶏糞となります。
 また、別の用途として皆さんが食べているきのこ類の土代わりになります。
 左写真はおが屑を貯めるサイロです。
寒さらし(灰汁抜き)・自然乾燥
 製材した採材を寒にさらします。
 写真のように材料を立て掛けて雪・冷風にさらし灰汁(アク)を抜いていきます。
 雪や雨の中に立てかけていると乾燥し難いのですが、灰汁を抜くには大変有効的な方法です。
通常の自然乾燥と同じように材料を立てかける際は材の根元を天にかざし頭の方を地面の方にします。そうする事により材木が水分を下から吸わないようにするためです。
雨さらし(灰汁抜き)・自然乾燥
 製材した採材を雨にさらします。
理由などは寒さらしと同様です。
 写真のタモのように材料を横にして風雨にさらし灰汁(アク)を抜いていきます。
 横にするのは立てかけると材料自体がねじれたり曲がったりしやすい樹種の場合にこの方法を使います。ただやはり水が流れやすいよう少しでも斜めに設置します。
自然乾燥・影干し保管
 製材した採材を外で天日乾燥した後、建物内部にて影干しします。
 写真は製材工場屋根裏に乾燥保管しているものです。ちなみに写真の材は3〜10年この状態で保管しています。
 売れ残りではありません。(笑)
第5倉庫(外観)
 製材した採材を外で天日乾燥した後、建物内部にて影干しします。
 写真は製材工場第5倉庫に乾燥保管している様子です。できる限り晴れた日は出入口を開けて倉庫内に風を通します。
第5倉庫(内部保管状況)
 製材工場第5倉庫には長尺物を主に乾燥保管しています。
 写っているのは13尺の杉・檜の柱材です。
 因みにビニールの袋に包まれているのは最近入荷しました一位(イチイ)の木の床柱です。一時的に第5倉庫に保管しています。通常床の間材は暗室に保管しています。
第3製品倉庫(外観)
 製材した採材を外で天日乾燥した後、建物内部にて影干しします。
 写真は製材工場第3製品倉庫に乾燥保管している様子です。できる限り晴れた日は出入口を開けて倉庫内に風を通します。
第3製品倉庫(内部保管状況)
 製材工場第3製品倉庫には内部造作材を主に乾燥保管しています。写真は立積み保管。
 写っているのは6尺5寸の杉・檜の鴨居材です。
第3倉庫には和室造作材が使われるのを静かに待っています。
第3製品倉庫(内部保管状況)
 製材工場第3製品倉庫には内部造作材を主に乾燥保管しています。写真は横積み保管。
 写っているのは13尺以上の檜・タモの挽き割り材です。床板・窓枠などの内部造作材や破風板などの外部仕上げ材にも使用します。
 

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